平魚泳 Hirasakana Oyogu

夕焼けと満月

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2000年代東京LIFE

 

僕の中で、この「夕焼けと満月」という曲は
20代を過ごした「東京ライフ」の
風景、情景を想い起こさせる1曲です。

 

下北沢近辺の
風呂無し4畳半アパートで暮らしていました。

 

引っ越したらまず、
ギター持って駅前に歌いに行く。
というのが「僕」でした。

 

様々な出逢いが
あったりなかったり。

 

高円寺、吉祥寺、井の頭公園、国分寺、
代々木公園、新宿・・・

 

自転車やバイクで、
いろんなところに行ってました。

 

路上、バンド、ライブ、バイト、お酒・・・。

 

こんな、ある意味求めていた暮らしが
だんだんとルーティンで物足りないと感じ始め、
アパートを引き払い、
自転車で旅に出るまでの
(「身の程ツアー」と名付けました)
23〜31歳(くらい)まで
東京の同じアパートにずっと住んでいました。

 

 

けれども・・・
千葉の、今ではどんどん削られてますが、
そこそこ森や畑があって、
不法投棄の山の向こうに
多少の身を隠す、
誰にも見つからない場所があって、
ホッと一息。みたいな環境で育った僕は、

 

東京の、
どこにいても誰かに見られているような環境が、
時々しんどくなって、
しばしば、
多摩川の河川敷へ行って、
生い茂る?いや
立ち枯れた枯れススキを分け行って
独り、タイコを叩いたり、
ウクレレ弾いたり、
焚き火したり、
芋を焼いたりしていました。

 

そんな僕の東京の風景が
この「夕焼けと満月」です。

 

 

去年の今頃はよく一緒に歩いたね

 

「あのこ」も、まぁ
実在のひとです。

 

善福寺川緑地を横切って
自転車で彼女に会いに行きました。
東京ライフで、恋人のいる日々って
ほんと無かったな・・・。

 

2ヶ月ほどで、
彼女も、不仲になっていた
元カレの元へ。
元の鞘に収まって、
僕は独り、
善福寺川緑地で見た
辺り一面が真っ赤に染まる、
感動的な夕暮れの景色を

その時、Tu-Kaのガラケーで撮った写真

誰とも分かち合うことも出来ず、
詩にして、曲にして、
とても素敵な曲が出来ても、
彼女に
「いいうたができたんだ♪」と
話しかけることも出来ず・・・。

 

あの日々の
僕も彼女も
今はどこにもいないけど
良い曲が残せて幸せです。

 

 

レコーディング

 

この曲は
なんかロックバンドで演奏したかったんだけど
そんな人材を選別して、統治して、
プロジェクトを遂行できる実力も縁もなく、
その後もずっとお蔵入り。

 

ウクレレ弾き語りのライブで
歌ったりするのも、
地味な曲調なので、
あまり演奏しなかった記憶です。

 

でも、
庶民の僕にも扱える
「DTM」という
レコーディングソフトを勉強して、
ここで初めて、
「この曲、こんな風に表現したかったんだ!」

 

っていう編曲が出来ました。
2012年の話です。
曲が出来たのはさらに4年ほど遡る。

 

最後の「チーン」て音は、
当時、奈良のとあるバーに棲みついていたので
そこにあった、店員さんを呼ぶアレです。

 

総括

 

「まぁ、そんなとこ」
って、歌詞で最後に締め括るくらい、
他愛もない、人生の1ページの詩です。

 

でも、だから、
人生って愛おしいよね。

 

 

[このアルバムに収録されています]

 

この記事を書いた人

平魚泳

ウクレレ弾いて、タイコ叩いて、笛を吹いて、歌う。詩人。音楽家。言葉の持つ力、音の持つ力を日々確かめています。

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